保護者・先生の方へ

ATAWIマイナスは、中学1年「正の数と負の数」を、計算規則の暗記ではなく、意味の理解から計算・活用までつなげることを目指したサイトです。ここでは、設計の考え方と、数学的な根拠、使っている見方(モデル)の限界を説明します。

設計の考え方

使っている見方と、その限界

見方 使う場面 限界(サイト内でも明示しています)
数直線の上の移動 加法・減法 「右がプラス」は描くときの約束で、負の数の定義ではない。縦の数直線では上がプラス
0で折り返す(反対の数) 大小、絶対値、減法、乗法 直感のためのモデル。根拠は下の定義と法則
+1と−1の打ち消し 異符号の加法 補助の見方として一度だけ紹介
かけ算の表の延長(パターン) 乗法 規則性の発見であって証明ではない。証明は分配法則
「×(−1)=反対にする」 乗法 直感モデル。「借金×借金」のような説明は使いません

教育研究では、負の数を完全に説明できる単一のモデルはないことが繰り返し指摘されています。そのため、モデルの限界を明示し、形式的な根拠を並べて示す構成にしました。0で折り返す対称性を強調した学習が、未習の問題への転移で優れていたという研究(Tsang ほか, 2015)も参考にしています。

数学的な根拠

子ども向けの画面は直感的な説明にし、各章の「数学ではどう考える?」で次の根拠を示しています。

ページに出している式は、生成のたびにすべて自動で検算しています。文字を含む法則は、−6〜6 の整数をすべて代入して確かめています。

よくある誤解と、サイトでの扱い

誤解 扱い
「マイナス = 左」「マイナス = 悪い」 縦の数直線を並べ、向きは約束だと示す(第2章)
「たすと必ず大きくなる」 たす数を1ずつ減らす表で確かめる(第6章)
「ひくと必ず小さくなる」 ひく数を1ずつ減らす表で、負の数をひくと大きくなることを確かめる(第9章)
−5 は −3 より大きい(0から遠いほうを大きいと思う) 大小は位置、絶対値は距離と分ける(第3・8章)
絶対値 = マイナスを消すこと 0からの距離として定義する(第8章)
「マイナスとマイナスでプラス」を加法・減法にも使う(−4−2=6) 誤答を名指しで取り上げ、「符号が同じ数の乗法・除法の話で、加法・減法の理由ではない」と示す(第9・10章)。理由は標語ではなく、減法の定義と分配法則で説明する
−3² と (−3)² を混同する 「2乗するのは何か」を並べて比べる(第12章)
負号と減法の記号を区別しない 「どの数か」と「何をするか」で読み分ける(第4章)

予想の問いと理解確認では、まちがえた選択肢ごとに「どう考えたか」を推し量った言葉を返し、対応する動きをもう一度見せます。

授業・家庭での使い方

点数・ランキングは出しません。理解確認の結果と書いた文は、その端末の中にだけ保存されます。

学習指導要領との対応

中学校学習指導要領(平成29年告示)第1学年「A数と式」(1) の各事項との対応は、学習指導要領との対応にまとめています。

参考にした研究